機械的性質

各種プラスチックフィルムの中で、高抗張力を有し、厚さ0.025mmのものでも手で破ることができないほど強靱です。薄い材料を使って製品の小型化、軽量化、あるいは高性能化が可能です。

1.各種品番の引張り強さと伸び

ルミラー®の各種品番の引張り強さと伸びを表1に示します。
測定法はJIS C 2318 - 72です。

表1 ルミラー®の各種品番の引張り強さと伸び
厚さ MD(縦方向) TD(横方向)
引張り強さ 引張り伸び 引張り強さ 引張り伸び
品番 μ kg/mm2 % kg/mm2 %
#6 6 20.0 130 24.0 90
#9 9 20.0 130 27.0 100
#12 12 22.0 140 26.0 120
#16 16 22.0 150 25.0 120
#25 25 21.0 160 25.0 130
#38 38 23.0 140 25.0 130
#50 50 22.0 150 22.0 130
#75 75 22.0 150 22.0 130
#100 100 21.5 150 21.0 130
#125 125 21.0 150 20.0 140
#188 188 19.0 190 19.0 140
#250 250 18.0 190 17.5 150
#350 350 16.0 190 15.0 160

2. 引張り強さと伸びの他種フィルムとの比較

ルミラー®は各種プラスチックフィルムの中で、最も大きな引張り強さを有します。比較のため同一条件で測定した各種プラスチックフィルムの引張り強さと伸びは、表2に示すとおりです。
測定に用いたサンプルの厚さは、いずれも25μで試験条件は20°C65%RHです。

表2 各種プラスチックフィルムの引張り強さと伸び
フィルム 引張り強さ 引張り伸び
kg/mm2 %
ルミラー® 24 130
トレファン® NO   *1 3〜5 700
トレファン® BO   *2 19 130
高圧法ポリエチレン 2 300
延伸ポリスチレン 10 10〜20
ナイロン6 10 400
延伸ナイロン6 10〜25 50〜130
延伸ポリカーボネート 10 150
軟質ポリ塩化ビニル 3〜4 300
硬質ポリ塩化ビニル 5 30〜130
延伸硬質ポリ塩化ビニル 12 80
延伸塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体 12 70
塩酸ゴム 10 130
セルローストリアセテート 12.5 40
セロファン 12〜20 15
  • 1 東レ無延伸ポリプロピレンフィルム
  • 2 東レ二軸延伸ポリプロピレンフィルム

3. 引張り強さと伸びの温度による変化

ルミラー®の引張り強さと伸びの温度による変化は、図1および図2に示すとおりです。
測定に用いたサンプルの厚さは、いずれも#38(38μ)で測定法はJIS C 2318 - 72です。

図1 ルミラー®の引張り強さの温度による変化
図2 ルミラー®の引張り伸びの温度による変化

4. 引張り強伸度曲線の温度による変化

ルミラー®は-70〜+150°Cの広い温度範囲にわたって、優れた機械的性質を保ちます。
#38(38μ)のルミラー®を-20〜+200°Cの温度で測定したときの引張り強伸度曲線は、図3に示すとおりです。
測定法はJIS C 2318 - 72です。

図3 ルミラー®の引張り強伸度曲線の温度による変化

5. 引張り弾性係数の他種フィルムとの比較

ルミラー®は各種プラスチックフィルムの中で、最も大きな引張り弾性係数を有します。
比較のため、同一条件で測定した各種プラスチックフィルムの引張り弾性係数は、表3に示すとおりです。
測定に用いたサンプルの厚さは、いずれも25μで試験条件は20°C65%RHです。

表3 各種プラスチックフィルムの引張り弾性係数
フィルム 引張り弾性係数
kg/mm2
ルミラー® 400
トレファン® NO   *1 90
トレファン® BO   *2 200
高圧法ポリエチレン 20
延伸ポリスチレン 120
ナイロン6 60
延伸ナイロン6 150
延伸ポリカーボネート 110
軟質ポリカーボネート 20
硬質ポリ塩化ビニル 140
延伸硬質ポリ塩化ビニル 300
延伸塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体 40
塩酸ゴム 140
セルローストリアセテート 300
セロファン 150 〜 320
  • 1 東レ無延伸ポリプロピレンフィルム
  • 2 東レ二軸延伸ポリプロピレンフィルム

6. 微少伸長時引張り応力の温度による変化

ルミラー®を微少だけ伸ばしときの引張り応力は、常温より低い温度になっても元来ルミラー®は耐寒性にすぐれるので、急激に上昇して変化したりすることはありません。
しかし、熟可塑性樹脂の特徴として、常温より高い温度においては次第に低下します。
#75(75μ)のルミラー®を1, 3, 5%だけ伸ばしたときの引張り応力の温度による変化は図4に示すとおりです。
測定法はJIS C 2318 - 72 です。

図4 ルミラー®の微少伸長時引張り応力の温度による変化

7. 動的特性の温度による変化

#12(12μ)のルミラー®の動的引張り弾性係数およびtanδは、図5に示すとおりです。

図5 ルミラー®の動的引張り弾性係数およびtanδの温度による変化

8. クリープ特性

# 188(188μ)のルミラー®を2〜10kg/mm2 の張力で測定したときのクリープ特性は、図6に示すとおりです。測定に用いたサンプルの幅は 10mm、長さは 1,000mmで試験条件は 25°C65%RHです。

図6 ルミラー®のクリープ特性

9. 各種品番の端裂抵抗

ルミラー®の各種品番の端裂抵抗を表4に示します。
測定法はJIS C 2318 - 72 です。

表4 ルミラー®の各種品番の端裂抵抗
高さ MD(縦方向) TD(横方向)
品番 μ kg/20mm kg/20mm
#664.83.6
#997.06.0
#12129.09.0
#161614.513.0
#252522.020.0
#383832.030.0
#505040.036.5
#757560.056.5
#10010072.073.0
#12512587.588.0
#188188125.0130.0
#250250150.0160.0
#350350200.0240.0

10. 端裂抵抗の他種フィルムとの比較

ルミラー® は各種プラスチックフィルムの中で、最も大きな端裂抵抗を有します。比較のため、各種プラスチックフィルムの端裂抵抗を表2に示します。 値はいずれも厚さ25μ換算値で測定法はJIS C 2318 - 72 です。

表5 各種プラスチックフィルムの端裂抵抗
フィルム 端裂抵抗
kg/20mm
ルミラー®22
トレファン® NO   *13
トレファン® BO   *215
高圧法ポリエチレン2
延伸ポリスチレン0.3 〜 1.5
ナイロン65
延伸ナイロン620
軟質ポリ塩化ビニル3
硬質ポリ塩化ビニル6
延伸硬質ポリ塩化ビニル10
延伸塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体10
塩酸ゴム10
セルローストリアセテート4
セロファン6
防湿セロファン4
ポリエチレンラミネートセロファン5
  • 1 東レ無延伸ポリプロピレンフィルム
  • 2 東レ二軸延伸ポリプロピレンフィルム

11. 各種品番の破裂強さ

ルミラー®の各種品番の破裂強さを表6に示します。
測定法はJIS P8112 - 63 です。

表6 ルミラー®の各種品番の破裂強さ
厚さ 破裂強さ
品番 μ kg/cm2 kg/cm2/mm
#661.53255
#16164.89305
#25256.00240
#38389.19242

12. 破裂強さの他種フィルムとの比較

ルミラー®は各種プラスチックフィルムの中で、最も大きな破裂強さを有します。
比較のため、各種プラスチックフィルムの破裂強さを表7に示します。

表7 各種プラスチックフィルムの破裂強さ
フィルム 破裂強さ
kg/cm2/mm
ルミラー®200 〜 300
トレファン® BO   *1150 〜 170
高圧法ポリエチレン6 〜 10
軟質ポリ塩化ビニル40 〜 60
延伸塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体60 〜 70
セロファン80 〜 100
防湿セロファン60 〜 70
  • 1 東レ二軸延伸ポリプロピレンフィルム

13. 衝撃強さの他種フィルムとの比較

ルミラー®は各種プラスチックフィルムの中で、最も大きな衝撃強さを有します。

比較のため、各種プラスチックフィルムの衝撃強さを表8に示します。測定に用いたサンプルの厚さはいずれも25μであり、測定法はJIS K6745 - 72 の落球方式で試験条件は25°Cです。

表8 各種プラスチックフィルムの衝撃強さ
フィルム 衝撃強さ(25μ)
kg・cm kg・cm/mm
ルミラー® 25 1,000
トレファン® NO   *1 1 40
トレファン® BO   *2 17 680
高圧法ポリエチレン 4 160
延伸ポリスチレン 0.6 24
ナイロン6 12 480
延伸ナイロン6 25 1,000
延伸ポリカーボネート 25 1,000
軟質ポリ塩化ビニル > 9 > 360
硬質ポリ塩化ビニル 2 80
延伸硬質ポリ塩化ビニル 18 720
延伸塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体 10 400
塩酸ゴム > 15 > 600
セルローストリアセテート 8 320
セロファン 9 375
防湿セロファン 9 360
ポリエチレンラミネートセロファン 7 280
  • 1 東レ無延伸ポリプロピレンフィルム
  • 1 東レ二軸延伸ポリプロピレンフィルム

14. 各種品番の引裂伝播抵抗

ルミラー®の各種品番の引裂伝播抵抗を表9に示します。
測定法はJIS P8116 - 73 です。

表9 ルミラー®の各種品番の引裂伝播抵抗
厚さ MD(縦方向) TD(横方向)
品番 μ g
#1212108
#25252015
#38382725
#50503530
#75755245
#1001007977
#1251259094
#188188140146
#250250187180
#350350313316

15. 耐折強さ

ルミラー®の耐折強さ(耐屈曲回数)を表10に示します。
測定法はJIS P8115 - 63 で試験条件は室温です。

表10 ルミラー®の耐折強さ
厚さ MD(縦方向) TD(横方向)
品番 μ 張力250kg/cm2 張力100kg/cm2
#1212> 120,000> 120,000
#2525> 120,000> 120,000
#505038,60085,200
#12512525,80038,300
#2502504,00022,000

16. 曲げ回復率

ルミラー®の曲げ回復率は、次のようにして測定します。
幅10mm、長さ60mmの試料をとり、端から20mmのところで180°折り曲げた部分に底面 30mm × 40mm、重量275gのおもりをのせ、1分後におもりを取り除いて曲げ角度が瞬間にどれだけ回復するか、またそれから1分後にどれだけ回復するかを求めます。
結果は表11に示すとおりです。

表11 ルミラー®の曲げ回復率
厚さ 瞬間回復率 1分間回復率
品番 μ % %
#12121832
#25252569
#2502507583

17. 摩擦係数

ルミラー®どおしの摩擦係数を表12に示します。
測定法は ASTM D 1894 - 63 です。

表12 ルミラー®の摩擦係数
高さ 静摩擦係数 動摩擦係数
品番 μ
#25250.440.40
#50500.430.35
#1251250.250.21

ルミラー®テクニカル情報